これは、井の頭の池から弁天の社を望むと読むんですが、でもこれは井の頭池から弁天さんを望んでいるというより、弁天さん南の崖上から井の頭池と弁天さんを望んでいますね。
1858年 |
2019年 |
やはり立地が池なので、江戸の頃からあまり変わってないでしょうから、木さえ無ければほぼ同じ画が撮れたと思います。まぁ、良しとしましょう。
何故ここが名所なのかというと、ズバリですね。弁天さんです。
天慶年中ですから938年から946年の間に、源経基が最澄伝教大師作の天女像を祀ったことに始まります。源頼朝が平家追討の祈願成就に感謝して建久8年(1197年)に堂宇を建立、新田義貞、家康、家光も訪れています。
それにしてもスーパースター勢揃いですね。源経基は、経基→満仲→頼信→頼義→義家→義朝→頼朝ですし、最澄は天台宗の祖で比叡山を開いた人で、新田義貞は北条鎌倉幕府を倒したし、家康・家光は言わずもがなですね。
江戸からの距離もちょうど良い感じで、行楽も兼ね、多くの人が参拝に訪れたようです。
江戸から来るなら甲州街道で、高井戸から分かれ井の頭道を行きました。今でも沿道には地蔵や庚申塔などが多く残り、当時を偲ばせます。
明治初期 |
それでは、甲州街道から順番に、石塔群をご紹介します。
まずは道標、甲州街道のここから分岐、以降、井の頭道 |
庚申塔 |
庚申塔、"右井之頭道"と彫られているのが分かる。 |
庚申塔 兼 題目塔という、なんともvery Japaneseな石塔です。庚申塔は一応道教、題目塔は仏教日蓮宗です。異なる宗教が一つの石塔に融合してるなんて、なんて、diversityなんでしょう。 |
地蔵 |
あんまり知られてないようで、とってもひっそりとしてるんですが、ここが表参道です。鳥居です、鳥居。で、弁天さんは、元々は、ヒンズー教の女神で、日本で仏教に取り入れられ、仏教の守護神の一つとなりました。更に、市杵嶋姫命とも習合しました。だから鳥居なんですが、ヒンズー教、仏教、神道と、いやはや何とも、very Japaneseです。宗教についてはdiversityを徹底してますね。 |
如何でしたでしょうか。
そこかしこに石塔が残り、井の頭道をサイクリングでもすれば、江戸庶民気分を味わえます。お勧めです。
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